Masazumi Ao, PhD
Professor, Yokohama City University
International Liberal Arts
Graduate School of Urban Social and Culture Studies
Save the Earth and Human Health by Blue Laboratory
🍁 “ゼミナール紹介” Seminar introduction
🐓学生たちへのメッセージ NEW
地球環境を改善して暮らしやすく豊かな社会にしていくためには、私たちの生活にかかわる食品や生活用品など、様々な製品を人々や生態系にとって安全なものに変えていかなければなりません。日常の暮らしにかかわる食品や生活用品などを見た場合、製品設計、販売、回収などに至るライフサイクルを改善していくことが脱温暖化や資源循環(サーキュラーエコノミー)において最も重要であることが分かってきて、そのことを社会が受け入れ始め、改善するために試行錯誤しているのが現在です。また、その鍵を握る一つが国家間を超えて取引される貿易です。安全で質の高いものを輸出入する体制を作ることはとても大切なことになってきています。
学生のみなさんにとって、大学でどの学問を自分の専門の柱とするのか? 将来社会人になった時に、何でもできる、言われたことはこなせるよ、というジェネラリストであることは大切です。一方、自分の専門があって、その専門性を活かし仕事を通して社会に貢献することは、ジェネラリストになることより、もっと大切なことだと考えています。将来に向けて自分の強みを持てる専門性を高められよう大学生活を役立てください。環境政策から新しいイノベーションを創出することを目指す私たちのゼミは、学問を学べる魅力的な場所です。「環境分野の学びは、お守りになります」
🐓青ゼミナール(Blue Laboratory)について(学部生/Undergraduate Students)
横浜市立大学国際教養学部は、学部2年次から4年次迄の3年間一貫したゼミナールです。ゼミ定員は各学年10人程度です。
🐓ゼミの国内での活動について
2024年度は、6月26日から東京都小笠原諸島父島へ「小笠原諸島における生物多様性の保護活動とプラスチック系廃棄物による生態系への影響」についての調査の為、2年生を中心に調査研修を行いました。また、リサイクルやアップアサイクルを進めている横浜・川崎・横須賀市内の企業を訪問し、横浜・川崎・横須賀市など、サーキュラーエコノミーの実現性について研究を進めまています。
🐓ゼミの国際的な活動について
2024年度は、2025年2&3月に11回目となるスウェーデン研修を実施します。現地ではゼロカーボン政策、サーキュラーエコノミー政策、スマートシティ等の都市計画を中心に視察する予定です。また今後はインドネシア、マレーシアへの環境研修も計画中です。
2020年以降コロナ感染症の拡大で海外活動を一時停止しましたが、2022年9月に海外フィールドワーク研修(スウェーデン・11人参加)以降、ゼミ生の7割近くが海外の大学等へ留学しています。2024年度の長期留学先は、アメリカ、スペイン、オーストラリア、イギリス、ドイツ、タイの大学等に派遣します。
これまで海外フィールドワーク等の研修活動は計16回実施し、うちスウェーデンへは計10回訪問しています。スウェーデン以外の欧州はデンマーク、フィンランド、イタリア、ラトビア、リトアニア等の国も併せて訪問しています。東南アジアはインドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシアを訪問しました。現地の大学や環境NGOでワークショップを開催し、日ごろの研究と語学習得の成果を発表・経験しています。
これまで海外研修活動に参加した学生数は211人となりました。現地では大学生との交流だけでなく、中学生、高校生との交流も積極的に行っています。そして環境分野の専門家等と研究について意見交換を行っています。研修に参加した学生等は、国際的な知見が得られるとともに現地の伝統的な文化や食事、雄大な自然にも触れ、人々とのコミュニケーション能力の向上と感性を磨いています。
●2023-2025年の主なグループ研究(PJ)は6つあります。
🍁 ゼミナール(大学院/学部)の研究テーマ
1)持続可能な開発とSDG実現、2)サーキュラーエコノミーの実現、3)環境ビジネス支援(環境配慮製品の生産と消費の推進)、4)地球規模の環境対策(温暖化、大気汚染、海洋汚染)、5)再生可能なエネルギー、6)環境教育(ESD)の実践、7)食糧政策・低炭素農業、8)国際環境協力など。現在は、カーボンニュートラルに向けた「エコキャンパス」「地域のサーキュラーエコノミ形成」「環境人材育成」「エコタウンのReイノベーション」に関する活動を行っています。
🍁 Seminar (graduate / undergraduate) Research Themes
1) Sustainable Development & SDGs, 2) Circular Economy Society, 3) Sustainable Business (Production and Consumption of environmentally friendly), 4) Global Environmental Policy (global warming, air pollution, marine pollution), 5) Renewable Energy, 6) Practice of environmental education (ESD), 7) Food and Agriculture, 8) International environmental cooperation, etc.
Our WGs have been set up and are working towards 'Eco-Campus NET ZERO', 'Regional Circular Economy' and 'Environmental Human Resource Development', etc.
💛 2023年度 卒論テーマ 2023 Bachelor's thesis
💛 2022年度 卒論テーマ 2022 Bachelor's thesis
💛 2021年度 卒論テーマ 2021 Bachelor's thesis
💛 2020年度 卒論テーマ 2020 Bachelor's thesis
🍁 ゼミナール(大学院/学部)の活動・教育実績
■2024年6月26日-7月1日 国内フィールドワークで小笠原諸島父島を訪問
6月26日から7月1日迄、「小笠原諸島における生物多様性の保護活動とプラスチック系海洋ごみによる生態系への影響調査」を実施しました。この調査には学生10人が参加。小笠原諸島の父島と兄島を中心に現地NGOと海洋センターの協力を得てプラスチック系廃棄物の海岸での回収と分類、サンプル採取、温暖化によるウミガメの産卵と孵化への影響とプラスチック廃棄物をウミガメが誤飲する問題に関する調査を行いました。漂着ゴミに関しては、人間が識別できる大きめのゴミの7割程度が漁具、残りがペットボトルや容器包装でした。澄み渡った真っ青の海ですが、海岸線の波のラインには自然界に存在しないケミカル色をした5センチ未満に砕けたプラスチックの破片が散乱していました。砂浜に押し寄せる波が運んできたプラスチックの破片や目視できないマイクロプラスチック群が、太平洋の離島に辿り着いているだけでなく、砂浜に堆積しているこの事実は大きな問題です。
こららの問題は生産者とそれを使って放り捨てた消費者の責任であって、島の人が頑張って処理する問題なのでしょうか?いずれにしても世界的にとても貴重な自然豊かな楽園の島が、ゴミによって生態系が破壊されつつある、この事実に待ったをかけなければなりません。
■Domestic fieldwork visit to Chichijima, Ogasawara Islands.
From 26 June to 1 July 2024, we conducted "Biodiversity Conservation Activities and Survey on the Impact of Marine Plastic Litter on Ecosystems in the Ogasawara Islands". Ten students took part in the survey. The Ogasawara Islands are part of the Tokyo metropolitan area, but are a 1000km boat ride from Tokyo and a 24-hour voyage in the Pacific Ocean. There is no airport.
In cooperation with local NGOs and marine centres, they collected and sorted plastic waste on the beaches of the Ogasawara Islands, mainly on Chichijima and Anijima, collected samples and conducted research on the impact of global warming on the spawning, mainly of sea turtles, and the problem of misuse of plastic waste. In terms of litter, around 70% of the larger human-identifiable debris was fishing gear, with the remainder being plastic bottles and container packaging.
The sea was clear and blue, but the coastline was littered with plastic debris less than 5 cm in size and in various colours that do not occur in nature. The fact that plastic debris and invisible clusters of microplastics carried by the waves have not only reached remote islands in the Pacific, but have also accumulated on beaches, is a major concern. Is this problem the responsibility of the producers and consumers who use and dispose of them, or is it a matter for the islanders to do their best to deal with? In any case, we have to wait for an island paradise with one of the most precious natural environments in the world to be destroyed by waste and for the ecosystem to be destroyed by waste.
■2022年9月1-11日 海外フィールドワークでスウェーデンを訪問
2022年9月1日から11日まで横浜市立大学が実施している「海外フィールドワーク事業」で、学生10人と北欧スウェーデンのウプサラ、ストックホルム、エスキルストゥーナを訪問しました。SDG(持続可能な開発目標)の実現に向けた先進的な環境取組、カーボンニュートラルを目指す環境取組を視察しました。研究対象は、自治体や企業によるカーボンニュートラル実現のための取り組みで、特にプラスチック廃棄物及び食品廃棄物の削減とその有効利用、交通や住宅、産業、農業等における再生可能エネルギー使用拡大と省エネ推進、大学、地方自治体、企業と連携したカーボンニュートラルの取組状況など、2030年そして2050年に向けた「カーボンニュートラル」及び「地域カーボンニュートラル」の現状について把握できました。
■Visited Sweden for overseas fieldwork (1-11 Sept 2022)
We (10 students) visited Uppsala, Stockholm and Eskilstuna, Sweden, from 1 to 11 September 2022. We saw advanced environmental initiatives to realize the SDG and ecological initiatives for carbon neutrality. Our visit investigated initiatives to release carbon neutrality towards 2030 and 2050. 1) Reduction and effective utilization of plastic and food waste; 2) Expansion of renewable energy use in transport, housing, industry, agriculture, etc. 3) Status of carbon neutral initiatives in cooperation with universities, local authorities, and companies.